通訳者を探している際に、どの通訳方法が適しているか悩んだことがありますか?このコラムでは「同時通訳」「逐次通訳」「ウィスパーリング通訳」それぞれの違いやメリット、活用シーン等を徹底的に解説します。
同時通訳とは?
文字通り、スピーカーの言葉をリアルタイムで別の言語に通訳する方法です。通訳者は、スピーカーが発言している内容をほぼ同時に理解し、その内容を別の言語に瞬時に訳して、聴衆に提供します。高い集中力が求められるため、複数名で担当し、15分程度で交代しながら通訳します。イベントの時間にもよりますが、1つのイベントに大体2~4名の同時通訳者が必要です。同時通訳では、理想的にはブースを使用することで、通訳者が最適な条件で作業できる環境を整えることができます。しかし、イベントの規模や特定の要件によっては、ブースを使用しない場合もあります。その際には、ポータブルな通訳機器や他の方法で対応することが一般的です。
同時通訳のメリット
・リアルタイムでのコミュニケーションが可能です。言語の壁を超えて異なる文化や言語圏の人々が円滑に意思疎通を図ることができます。
・会議やイベントの進行がスムーズ化されます。通訳者がスピーカーと同一場所にて通訳するため、ほぼ同時に、コミュニケーションの中断や待ち時間が最小限に抑えられます。
同時通訳の主な活用シーン
・大規模国際会議
・パネルディスカッション
・講演会
・シンポジウム
・学会 等
逐次通訳とは?
続きまして、逐次通訳をご説明いたします。スピーカーが発言した内容を一定の区間ごとに待ち、その後に通訳者が内容を訳して提供する通訳方法です。通訳者はスピーカーの発言を聞きながら、その内容を理解し、適切な言語に訳します。スピーカーと通訳者は交互に発言するため、通訳者が発言を待つ間に情報を処理し、適切な通訳を行うための時間が与えられます。
逐次通訳のメリット
・通訳者がスピーカーの発言を待つ間に、情報を処理し、適切な言葉や表現を選択する時間があるため、より正確な通訳が可能です。
・シーンにもよりますが、1時間から対応できるため、コスト的に優位性がある場合もあります。
逐次通訳の主な活用シーン
・オンライン商談
・会議室での商談
・工場見学
・企業視察
・ワークショップ
・意見交換会
・展示会 等
ウィスパーリング通訳とは?
通訳者が耳打ちで通訳を行う方法です。通常、通訳者は聴衆の近くに立ち、スピーカーの発言を直接聞き取り、それを聴衆に向かって耳打ちで通訳します。この手法は、一般的な会議やイベントでの通常の通訳方法が適切でない場合や、特定の参加者に対する個別の通訳が必要な場合に使用されます。
ウィスパーリング通訳のメリット
・通訳者が特定の参加者に直接通訳を行いますので、個々の参加者のプライバシーが確保され、公の場での通訳に比べてよりプライベートな環境が提供されます。
・通訳者が直接耳打ちで通訳を提供するため、ほぼリアルタイムでのコミュニケーションが可能です。これにより、参加者同士の円滑な意思疎通が実現されます。
ウィスパーリング通訳の主な活用シーン
・通訳対象者が少ない会議/面談
・単独インタビュー 等
まとめ
同時通訳、逐次通訳、ウィスパーリング通訳の選び方は、イベントの規模、形式、予算、技術的要件などによって異なります。以下に、それぞれの通訳方法の特徴と、どのような状況で選ばれるべきかをまとめます。
同時通訳
特徴
・リアルタイムで通訳を提供。
・通訳者は専用の防音ブース内で作業。
・高度な技術と集中力が必要。
・通訳者が交代で作業することが多い。
選ぶべき状況
・国際会議や大規模イベント: 多くの参加者が異なる言語を話す場合に最適です。
・時間が限られている場合: リアルタイムで通訳が行われるため、イベントの進行がスムーズになります。
・多言語対応が必要な場合: 複数の言語の同時通訳が必要な場合に効果的です。
逐次通訳
特徴
・スピーカーが一定の区間ごとに発言を止め、その後に通訳が行われる。
・通訳者とスピーカーが交互に話す形式。
・通訳者が内容をより深く理解してから通訳できるため、正確性が高い。
選ぶべき状況
・小規模な会議やビジネス交渉: 発言者と通訳者の間で直接のやり取りがしやすい。
・専門的な内容: 技術的または専門的な内容が多い場合に、正確な通訳が必要な場合。
・時間に余裕がある場合: 通訳のために発言が中断されるため、イベント全体の時間が長くなる可能性があります。
ウィスパーリング通訳
特徴
・通訳者が参加者の耳元で直接通訳を行う。
・通常、特定の個人や小さなグループに対して行われる。
・専用のブースや機器が不要。
選ぶべき状況
・小規模な会議やセミナー: 少人数での使用が適しています。・特定の参加者への対応: 一部の参加者のみが通訳を必要とする場合に効果的です。
同時通訳は、大規模で多言語対応が必要なイベントや、時間が限られている場合に最適です。
逐次通訳は、正確な通訳が必要な小規模な会議や専門的な内容を扱う場面で有効です。
ウィスパーリング通訳は、少人数や特定の参加者に対する通訳が必要な場合に適しています。
イベントの特性や参加者のニーズに応じて、最適な通訳方法を選択することが重要です。